学校歯科保健Q&A

Q.COとは何ですか?

A.要観察歯(questionable caries under observation)の略で、現在のところ虫歯とは断定できないものの、虫歯の初期の疑いがあり、口腔内環境が悪ければ虫歯に移行する可能性がある。また、口腔内環境が良ければ、健全歯に移行する可能性がある状態の歯のことです。

Q.GOとは何ですか?

A. 歯肉に軽度の炎症が認められる。歯石の沈着は認められない。注意深いブラッシングにより、炎症状態が引いていく歯肉の状態のことです。

Q.児童生徒の歯周疾患(歯肉炎・歯周炎)の原因はなんですか?

A.歯周疾患の主な原因はプラークです。プラークの中にいる細菌から出される内毒素によって歯肉炎が生じます。その他プラークはむし歯・歯石・口臭の原因など口腔内の多くの病気を引き起こす主要な原因因子となっています。

Q.歯にとって良い間食の取り方を教えて下さい。

A.ます甘いものを減らすことです。甘いものを食べる時は繊維質のあるものを一緒に食べると口腔内の清掃効果が高まります。間食の時間と量を決めてだらだら食べない様にしましょう。間食後の歯磨きも大事です。

Q.歯磨き粉の使用について教えて下さい。

A.歯磨き粉はブラッシングの効果を上げるものです。たくさんつければ良いのではなく、歯磨き粉の爽やかな香りと爽快感だけで磨けたつもりになっては逆効果になります。また、歯磨き粉に含まれる研磨剤によって歯の表面が削れてしまいます。歯磨き粉を使用する時は、歯ブラシの毛先に少しつける程度が良いでしょう。

Q.乳歯は生えかわるのに、なぜむし歯を治療しなければならないのですか?

A.乳歯がむし歯になると肉や野菜などの硬い食品や繊維の多い食品を噛むことが出来なくなり十分な栄養がとれなくなるからです。また、永久歯が正しく生えるために導く水先案内人の役目があるため乳歯のむし歯がひどくなって抜けてしまうと永久歯がどこに生えていいかわからなくなり歯並びが悪くなります。

Q.歯の交換期はいつ頃ですか?

A.6〜15歳で乳歯から永久歯に生え換わります。2年くらいの遅れは正常な範囲と考えます。

Q.口の中にけがをした時の応急処置の方法は?

A.異物があれば取り除いて傷口を水道水などのきれいな流水でよく洗い2%過酸化水素水などで消毒します。やけどの場合、高温やけどは冷水を口に含ませます。ドライアイスなどの低温やけどはお湯を含ませます。一般に、口の粘膜はおおよそ57℃までの熱に耐えると言われています。出血があれば傷口を確認して、そこを圧迫し止血してください。

すぐに専門医療機関に搬送しましょう。

Q.歯の脱落(完全脱臼)についての対処法を教えて下さい?

A.歯が抜け落ちる完全脱臼の頻度は、乳歯外傷の6.5%、永久歯外傷の5.0%に起きております。好発年齢は乳歯では1〜2歳、永久歯では7〜9歳です。それ以外でも体育や部活動の練習中に転んだり、ぶつかったりして歯を脱臼するなど多様な場面がありえます。

脱落乳歯に関しては、国際外傷歯学会のガイドラインでは、乳歯再植は後に生えてくる永久歯の生え換わりを妨げる可能性が懸念されるという理由で推奨されておりません。

しかし、低年齢の場合、状態が良ければ再植を試みて注意深く経過観察しても良いと思われます。ただし、永久歯の交換期に年齢が近ければ再植しないほうが良いでしょう。

脱落永久歯に関しては、いかなる条件でも再植を試みます。しかし脱落歯の保存状態により、予後が左右されます。残念ながら、98%に歯髄壊死が生じます。

以下に、保存液の種類による保存可能時間、歯根膜の状態を示します。

保存液 保存可能時間 歯根膜組織の状態
水道水 30分以下 不良
唾液(口の中) 1時間 やや不良
生理食塩水 1〜2時間 やや不良
牛乳 24時間 良好
専用保存液 24時間以上 良好

保存方法で予後に影響があります。参考にしてください。