日常生活の酸蝕症の危険性

ある論文で、市販の各種清涼飲料水ののpHを測定した結果、コーヒー飲料、ミルク入り紅茶飲料、茶飲料を除いて他の清涼飲料水のpHは、2.3~4.9の強酸性であったそうです。清涼飲料水に歯牙を浸漬して、エナメル質の脱灰状態を観察した結果、果汁入り清涼飲料水、無果汁清涼飲料水共に、pH 2.3~3.7の清涼飲料水では、浸潰後1分間でエナメル質の脱灰が観察されたそうです。

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前歯が脱灰しているため

学校歯科検診ではC0と判断されます。

イオン飲料水のダラダラ飲みによる小児での虫歯の発生が問題となってきています。虫歯の3大原因は糖の摂取、弱い歯の質、虫歯菌の量があげられ、糖は摂り過ぎないように、歯の質の弱さにはフッ素を定期的に塗って歯を強くさせたり、フッ素入り歯磨き粉の使用、フッ素洗口、虫歯菌に対しては歯磨きをして歯垢を取り除くという予防対策が必要です。

食事をする毎に目に見えないレベルで歯の表面は溶けています(脱灰)が、食べていない間に唾液の緩衝作用で口腔内が酸性から中性に戻りますので、食事中に溶けた歯に唾液中のカルシウムやリンが再度取り込まれ、元の歯の状態に戻ります(再石灰化)脱灰の時間が、再石灰化の時間より短ければ虫歯にはなりませんが、脱灰の時間のほうが長いと虫歯になります。

イオン飲料水をダラダラ飲むというのは、長時間口腔内に糖分が存在し、脱灰の時間が長いということを意味しますので、虫歯が出来やすくなります。また、口腔内のpHが5.4以下では歯のエナメル質の脱灰が起こり虫歯になりやすいといわれておりますが、イオン飲料水(一部はpHを5.5に調節しているものもある)やスポーツドリンク、果汁、乳酸菌飲料、コーラなどはpH2~4と強酸性で脱灰が起こりやすいpHです。健康ブームの黒酢などのお酢の飲み過ぎにも注意が必要です。

また、酸性の清涼飲料水や柑橘類を食べてすぐ歯を磨くと歯がすり減りやすくなりますので、食べたらすぐ口をすすいだり、お茶や水を飲んで時間少しおいて口の中を中和するのを待った後、歯を磨くと良いでしょう。

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問診により柑橘類の取り過ぎによる酸蝕症が疑われます。