日本の現状

現在、日本は65歳以上の方の占める割合が28.7%以上占める超高齢化社会に突入しております。加齢に伴い、高齢者の方では全身的な疾患、動脈硬化症や高血圧症、高脂血症、さらには骨粗鬆症、糖尿病、心血管系の疾患などに罹患している方の割合が増加します。

また、歯の欠損による咀嚼障害、根面虫歯、歯周病、味覚障害、嚥下障害、ドライマウス(口腔乾燥)などが見られます。
当院ではこのような方に問診を行い、投薬状況を確認し全身的な疾患を持たれた方でも安心して受診できるよう病診連携をおこなっております。

治療に外科的処置を伴う場合、モニタリングを装着し医学的管理下で治療を行っています。

術中のモニタリング

高齢者の方で口腔内清掃が不良になると、口の中の細菌が気道を通り肺に入って起こる誤嚥性肺炎がおこりやすくなります。また、飲み込む力、咳き込む力が弱くなるとやはり誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。

誤嚥性肺炎のリスク

誤嚥性肺炎は、高齢者の死亡原因の第1位です。

そのため、そのようにならないための予防、口腔内ケアがとても大事になってきます。具体的には口腔周囲筋のトレーニング、摂食嚥下訓練、舌の体操、口腔清掃などがあります。いずれにしろ一番の基本は、できるだけ長く自分の歯を維持すること。たとえ失ったとしてもかみ合わせを回復して美味しく食事ができる口をつくり維持することだと思います。

高齢者の楽しみの第1位は食事をおいしく食べることだと言います。日本歯科医師会でも8020運動を推進しております。80歳まで自分の歯を20本残して、生活の質の向上を維持し充実した生活がおくれるように目指していきましょう。

毎年満80歳になられた方で、20本以上歯のある方は、県の歯科医師会から表彰状が授与されます。

わたしも今まで何人もの患者さんと表彰の喜びを共有する事が出来ました。

その時の患者さんの嬉しそうな表情と感謝の気持ちをうかがった時、わたしにとっても最高のひと時です。